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みなし残業が違法になるケース

■みなし残業とは
みなし残業とは、みなし残業制という制度のことを意味します。みなし残業制は、固定残業代制とも呼ばれます。
固定残業代制は、一定の額を残業代として支払うことを前もって決めておく制度です。通常は、残業した分だけ残業代が支払われますが、固定残業代制においては、実際に残業した時間とは関係なく、事前に、一定時間残業したものとして、みなしの残業時間を設定します。これにより定額の残業代が決まり、それを従業員に支払っていくのです。
ここでは、みなし残業制の仕組みや、みなし残業制を採用する上での注意点、起きうるトラブル等について、詳しく説明していきます。

 

●みなし残業のルール
まずは、みなし残業の仕組みを簡単に説明します。
例えば、みなし残業時間として、20時間分の残業代を固定給として支払うことを決めたとします。実際に働いた残業時間に関係なく、20時間は残業したものとみなすことを事前に決めていたわけですから、たとえ実際の残業時間が10時間であったとしても、20時間分の残業代の支払いを受けることができます。
逆に、みなしの残業時間が20時間であっても、実際の残業時間がそれを超えることも考えられます。その場合には、超えた分の残業代が別途発生しますから、みなし残業代との差額として請求することができます。
次に、みなし残業制には、いくつかのルールがあるといわれています。
法律上明確に定められているわけではありませんが、みなし残業時間の上限として、月に45時間以内にすることが一般的となっており、上回ってしまうと違法となる可能性があります。これは、労働基準法の時間外労働に関する規定を参考にした基準です。
また、最低賃金を下回るようなみなし残業代を設定していた場合にも、違法になる可能性があります。労働基準法の規定をみなし残業代にも適用すると、割増賃金として、通常の給与に対し、25%以上を割り増したものでなければなりません。つまり、みなし残業代の時給が、通常の時給の1.25倍以上でなければ、違法となる可能性があるということになります。

 

●みなし残業の注意点
みなし残業制を導入し、うまく運用することができれば、様々なメリットがあります。
例えば、労働者側としては、定額の残業代はもらえることが決まっているため、効率よく仕事をして残業時間を少なくすることで、労働時間以上に給料をもらうことができるのです。また、みなしの残業代は定額であるため、基本給に加えて安定した収入を得ることになります。
一方、企業側のメリットとしては、みなしの残業時間をあらかじめ設定しておくことで、面倒な残業時間の計算の手間が省けることになります。
このようなメリットがある反面、デメリットも存在します。
例えば、みなし残業についての仕組みが十分に周知されていない場合、様々な誤解を招く場合があります。「みなし残業が決められているのだから、その分は絶対に残業をしなければならない」といった誤った理解をしてしまう従業員が現れるかもしれません。また、みなし残業があったとしても、それ以上の労働時間があれば別途賃金が発生するにもかかわらず、きちんと労働時間を管理できていない従業員がいたり、企業側が、別途の割増賃金を支払わなくても良い、などと勘違いしてしまったりすることもあり得ます。

 

●みなし残業で起こり得るトラブルについて
みなし残業制は、正しく運用されていなければ、違法で無効なものです。企業が不当に残業代の支払いを拒んだり、残業代の額が最低賃金を下回っていたり等の場合には、労働者側は賃金を請求することができるかもしれません。まずは、法律のプロである弁護士や、労働基準監督署に相談してみましょう。本来支払われるべき残業代を計算し、請求書あるいは労働審判等で解決を図っていくことになります。

 

■労働問題に関するご相談は当事務所まで
春水法律事務所では、労働問題に関するご相談を幅広く承っております。みなし残業よりも多く働いた分の残業代を請求する場合や、残業代を計算したい場合等、お困りの際には当事務所までお気軽にお問い合わせください。些細なことでも、ご不明な点がございましたら、ぜひ弁護士 後藤邦明までご相談ください。

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弁護士 後藤 邦明

(ごとう くにあき)

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  • 所属団体
    • 神奈川県弁護士会
    • 公益社団法人厚木青年会議所(厚木JC)
  • 経歴

    神奈川県藤沢市出身

    早稲田大学卒、明治大学法科大学院修了

    平成24年 弁護士登録

    青森県での勤務弁護士、福島県庁勤務での震災・原発事故からの復興支援などを経て、生まれ故郷の厚木市の法律事務所へ移籍、現在に至る。

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